「好き」や「いいね」の連鎖で、 毎日をハッピーにしたい。

花や女性のイラストを得意とするグラフィックデザイナー/イラストレーターの大島悠さん。優しさのなかにどこか強さを感じるタッチが特徴的で、女性ファッション誌のイラストや個展の開催、SNSなど幅広い分野で活躍されています。
COHARUのパッケージイラストを手掛けていただいた大島さんに、普段から大切にされていることや創作活動でのこだわりについてお話を伺いました。

HARUKA OSHIMA大島 悠
グラフィックデザイナー/イラストレーター。女性や花のイラストを得意とする彼女の作品はファッションやビューティー、ウェディングなど幅広いジャンルで人気を得ている。最小限の曲線画で描かれたイラストには美しさと艶やかな可愛さ、被写体が纏う空気感だけが際立ち残る。2020年「花と果実の香りに包まれて」をテーマにした個展を開催。
2021年、フォトグラファー中川達也氏との合同展示『違わない』などさまざまな方面で活躍中。

出会いはSNSでの圧倒的な輝き。

大島さんにはCOHARUのパッケージイラストを担当いただき、大変好評でした。
素敵なイラストをありがとうございます。

商品パッケージのイラストを描かせてもらうのはCOHARUが初めてだったんです。
私が描いたイラストを街中のドラッグストアやバラエティーショップで見たときは感動しました。友だちから「見たよ!」と連絡をもらったり、写真を送ってくれたりもして。たくさんの反響をいただけて嬉しかったですね。

柳屋本店で「初めて」をいただけて大変光栄です。
COHARUは商品企画、営業、マーケティングなど、さまざまな部署が集まってつくられた
商品なんです。そのメンバーの1人が大島さんのイラストをSNSで偶然見つけ、
今回ご依頼させていただきました。

そうだったんですね!見つけていただいてありがとうございます。とってもうれしいです。SNSも頑張っていてよかったです。

SNSで見つけたときに「大島さんのイラストが圧倒的に光って見えた」と言っていました。

憧れや、理想の女の子を。

大島さんのイラストには人を惹き込む魅力を感じます。
イラストを描く際にこだわっているポイントはありますか?

なりたい自分だったり、憧れている女の子だったり、理想の姿を描いています。
美容師さんのSNSで見つけた可愛いヘアスタイルを参考にしていて、自分もこの髪型やりたいなとか、おでこ出てるの可愛いなと思ったものをイラストにすることが多いです。

髪の毛ってイラスト全体の雰囲気に大きく影響しますよね。

そうですね。産毛やおくれ毛がちょっとあるだけですごく可愛くなったりします。実際の女の子がそうであるように、絵も変わってくるので、髪の毛にはこだわっています。

髪の毛の他にもイラストを描く際にこだわるところはありますか?

女の子の儚くてしなやかな雰囲気が好きなんですが、弱い女の子にはしたくなくて。
しっかりと芯がある子にしたいので、目線を逸らさないように描いていますね。イラストを見た人が女の子と目が合うといいますか、目に目がいくことを意識しています。横顔の子や目を閉じている子ももちろん描きますが、正面を向いているイラストは「目線」にこだわります。

肌色は決まっていない。

お肌を全面着色しないところも大島さんのイラストの特徴かと思います。
お肌の色は、女の子によって変えているのでしょうか?

チークで頬が赤らんでいたり、女の子によってブルベ・イエベっぽさは意識することもありますが、ぱっと見はほとんど一緒です。肌色って、色が決まってなくて人によって違うので、イラストを見て想像してもらいたくて肌にはあまり印象的な色をつけてないです。ただ、日焼けした子とかも可愛いなと思っていて、いろいろな肌の色のイラストにもチャレンジしたいですね。

今最も重要なキーワード「ダイバーシティー」ですね。
ダイバーシティーに関連して、SDGs達成に向けた取り組みに参加したご経験があれば伺いたいです。

使わなくなったコスメを回収してクレヨンをつくっている方とイベントを開催しました。クレヨンをプレゼントして、私のイラストで塗り絵をしてもらうイベントでした。

コスメでつくられたクレヨン!?とても興味深いです。

クレヨンがコスメからできているので、色がピンク、ピンク、ピンクなんです(笑)。
そのなかでも、濃いピンクや赤っぽいピンク、紫っぽいピンクなどそれぞれ個性があってとっても可愛いんです。素敵な取り組みだなと思って、私も使わなくなったコスメをお渡ししました。

今のお話を伺って、柳屋本店でもヘアオイルのボトルの再利用なども
チャレンジしてみたいと思いました。

憧れではなく、仲間。

イラストにはご自身の憧れを込めているとのことでしたが、
グラフィックデザイナー/イラストレーターとして、憧れていたり
インスピレーションを受けたりする作家さんはいらっしゃいますか?

ミュシャの作品がすごく好きで、学生時代から影響を受けています。髪の毛の感じとか布の感じがきれいで。イラストレーターなど同業同種の方は、「仲間」という意識が強いので、憧れとは少し違いますね。

イラストレーターは「憧れではなく、仲間」。素敵です。
他の方の作品を飾ることもありますか?

いろいろな作家さんの好きな作品や自分の作品も飾ります。あとはお花の絵を描くことが多いので、お花とか植物も結構飾りますね。お花はこの花描きたいなと思ったときにお花屋さんへ行って、お迎えしたい子が見つかれば購入します。

「好き」を大切にする。

お家の中は好きなもので埋め尽くされているんですね。

「好き」は仕事でも大切にしています。
イラストを描くときも「好き」とか「いいな」が連鎖して、毎日ハッピーになってくれたらなという思いで描いています。今はSNSでイラストをたくさん見られるので、私のイラストに目を留めてくれた人が「可愛い」「なんか好きかも」と思ってくれたらうれしいですね。

イラストを見た人の心が動いてくれたらということですね。
心を動かしたいと思うようになった実体験はありますか?

見てくれた人が目を奪われて、心がドキッとしてくれたらいいなと思います。
何か実体験があったというよりは、私が感情で生きているっていうのがあるかもしれないですね。それもあって、全部イラストに出ちゃうので、自分がハッピーじゃないときに描く女の子は全然可愛くならなくて。ハッピーなときに描く女の子はやっぱり幸せそうなんです。そういうときは画面越しにその子を見て私も自然と笑っています。

イラストに心の状態が反映されるんですね。
私生活でご自身がハッピーでいるために心がけていることがあれば教えてください。

美容健康系が大好きで、ピラティスなどいろいろ試しています。
メイク、ヘアセット、あと洋服も好きですね。プライベートではもちろんですが、自宅での仕事でもメイクやヘアセットをして、洋服まで着替えます。気分が良いときは髪を巻くことも。気分が良いと作業スピードがアップするので、身支度はしっかりします。イラストの女の子たちもハッピーでいてほしいなと思うので、作業中の自分もきれいで健康でありたいですね。

大島さんにとってメイクやヘアセットは、気分を上げてくれるものであり、
オンオフの切り替えにもなっているんですね。

描くことをやめない。

ちなみにスランプになってしまうことはありますか?

あります、あります!脱出方法は自分でもよく分かってないので、描き続けます。分析とかは苦手なので、とにかく数を打ちますね(笑)。
一度描くのをやめて、また描きはじめられなくなるのが一番怖いので、やめないようにしています。描くことをやめてしまったイラストレーターさんを見かけるとやっぱり寂しい気持ちがあって・・・できる限り続けてほしいなと思う部分もあるので、「私は辞めないぞ!」と背中を見せる意味でも描き続けています。

では最後に、今後の活動でチャレンジしたいことがあれば教えてください。

2022年は展示ができなかったので、今年は展示会をしたいですね。
作品上ずっとデジタルなので、アナログにした展示をしたいなとぼんやり考えています。スマホ画面で見る小さなサイズよりも、大きいサイズのイラストを見てもらえるとうれしいですね。そういった意味では、2023年7月に開催されたCOHARUイラスト展で、私のイラストを展示いただけたのは大変光栄でした。ありがとうございました!

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